経済全体の生産性が上昇しない理由
生産性は、産業によってかなりの差がある。
製造業の生産性が高い。しかし、この分野の就業者数は減少している。
専門科学技術は、その名称からすると生産性が高いように思われるのだが、実際には、残念ながら高いとはいえない。
生産性が高い業種として、金融業と情報通信業がある。ただし、これらの分野の就業者数は少なく、また、その伸び率も低い。
医療・介護分野は、就業者数の伸び率は高いのだが、生産性が低い。そして、生産性の成長率がマイナスになっている。経済全体の生産性が伸びない大きな理由は、生産性の低い産業の就業者が増加している反面で、生産性の高い産業の就業者が減少していることだ。
医療・介護が最大の産業になる
以上のデータを用いて、将来を予測してみよう。
その方法は、つぎの通りだ。まず、産業ごとに、就業者数と生産性について、過去の伸び率が将来も続くと仮定して、2022年以降の値を推計する。
そして、就業者数と生産性の積として、各部門のGDPを計算する。就業者数と生産性の伸びは別の要因で決まると考えられるので、このように別々に推計する方が、各部門のGDPを単純に外挿することに比べて、より正確な予測ができるはずだ。