投資をストップするのはいつの時点かというパターン以外にも、選択肢は考えられる。
本誌がお勧めしたいのは、投資を続けながら、少しずつ解約して現金化するというパターンだ。
それをオートマチックに実践できるのが「投資信託定期売却サービス」で、現時点で楽天証券とSBI証券が導入している。
SBI証券は2023年8月末時点でNISAに対応していないが、「今後、対応予定」という。時期は未定だ。
■楽天証券が対応◎
簡単に投資信託定期売却サービスの仕組みを紹介しておこう。まずSBI証券のものは、保有中の投資信託に受取日と受取額(1000円以上1円単位)を設定することで、毎月希望の日に売却代金が指定口座に入金されるというサービスだ。
楽天証券のサービスも仕組み自体は似ているが、3つのパターンのいずれかを選択できる。
1つ目は、SBI証券と同じく1000円以上1円単位で金額を指定する方式だ。
たとえば、毎月1日に1万円ずつ受け取る設定にしたとする。その場合、指定した投資信託の評価額が2万円以下になるまで自動的に毎月売却が行われ、売却代金が入金される。指定した1万円がその投資信託の時価評価額の50%を上回っている場合は、設定が解除され、売却されない。
2つ目は、残高の0.1%以上0.1%単位の「定率」で売却を指定するというパターンだ。指定した率に相当する口数が毎月売却され、指定した日に入金される。
たとえば1%ずつ受け取ると指定した場合は、売却日における投資信託の保有口数の1%に相当する口数が自動的に売却されることになる。1%に相当する口数の売却代金が1000円(最低売却額)に満たない場合は設定が解除され、売却は実施されない。
3つ目は期間を指定するというパターンで、最終受取日を決めることからスタートする。その投資信託の保有口数を最終受取日までの売却回数で等分し、毎月の売却口数を算出。その口数の売却が継続的に実施され、毎月の受取額は変動することになる。
たとえば、最終受取日を今からちょうど5年後と指定した場合、「12カ月×5年=60回」で割った口数が自動的に毎月売却され、希望した日に入金される。一般的には「定口解約」と呼ばれるものだが、この方法にすると「指定した年月日までにすべて現金化できる」というメリットがある。