新NISAの登場に伴い、つみたてNISAは今年で終わる。
とはいえ、それまでつみたて投資で買い付けてきた投資信託を直ちに売却する必要はない。
買い付けた年から数えて最長20年間にわたり、得られた利益が非課税扱いで保有し続けられるからだ。
ただし、つみたてNISAで買い付けた金融商品の新NISAへの移管は不可である。
一方、新NISAの金融機関の変更は10月から可能だが、金融機関を変更したからといって、その時点からつみたてNISAへの投資もストップするわけではない。
12月分まで買い付けを続けてくれる。年内の受け渡しとなる買い付け分までは、つみたてNISA口座へつみたてられる。
年内のつみたてNISAについて、主要ネット証券5社にそれぞれ確認した。
「金融機関の変更を申し込んだあとでも、つみたてNISAにおける年内の取引は変更前の金融機関で継続されます。
たとえば11月に新NISAでの金融機関の変更手続きが完了しても、変更前の金融機関のつみたてNISAの買い付けはストップすることなく、12月まで続きます。
つみたてNISAと新NISAは別の制度だとイメージしていただければ、わかりやすいかと」(楽天証券)
他のネット証券4社も、同じ回答だった。これで一安心。
■金融商品を移したいなら
繰り返すが、新NISAで金融機関の変更をしても、変更前の金融機関で買い付けたNISA口座の金融商品は変更後の金融機関に移せない。
どうしても移したいなら、非課税期間終了まで売却せずに待とう。そうすれば特定口座に移せる(今すぐに売却して新NISAで買い直す手もあるが、それはまた別の話)。
特定口座に移ってからは他社に移管できるようになる。なお、投資信託の場合、移管できるのは移管先の金融機関で取り扱っているものだけであることに注意。
特定口座に入っている金融商品の多くは、移管できる。新たな金融機関に一本化したほうが管理もしやすい。
ただ、株式や投資信託を別の金融機関に移管する際には手数料がかかるケースも多い。
主要ネット証券5社にヒアリングを行ったところ、SBI証券、楽天証券、松井証券の3社は同じ手数料体系だった。
日本株と米国株については他社への出庫、他社からの入庫ともに、手数料無料。投資信託は他社への出庫の際に、1銘柄につき3300円(税込み/以下同)の手数料がかかる。