さらに最終戦で対戦する鹿島が優勝の可能性を残しているようだとさらに厳しくなる。札幌、鳥栖を相手に勝点を稼いだ後、湘南との直接対決に勝利できるか。得失点差では分が悪いだけに、最終戦を前にJ1残留を決めておかなければ最後の最後で“悲劇”が待っている恐れがある。
最下位から勝点5差の16位にいるのが柏(勝点26、得失点差-13)だ。開幕6戦未勝利(2分け4敗)と躓き、第13節終了後にネルシーニョ監督から井原正巳新体制に移したが、その後も調子は上がらずに第21節まで8戦未勝利(3分け5敗)で最下位転落まで勝点1差の状況に追い込まれた。だが、7月後半の2週間の中断期間にチームを立て直し、8月以降の7試合は3勝3分け1敗と好調だ。
そして残り6試合は、札幌(A)、浦和(A)、川崎F(H)、鹿島(A)、鳥栖(H)、名古屋(A)となっている。残りカードの今季対戦成績は、札幌(●4-5)、浦和(●0-3)、川崎F(●0-2)、鹿島(○1-0)、鳥栖(△1-1)、名古屋(●0-3)。大量失点が気になる上、浦和、鹿島、名古屋と現在のトップ5の3チームとの対戦を残している、カード的には湘南、横浜FCよりも厳しいかもしれない。
だが、勝点5差のリードを持つ中で全勝する必要はなく、次節の札幌、さらに第33節の鳥栖を相手に勝利できればJ1残留は確実だろう。そして川崎もACLから中4日の試合となり、柏にとっては有利と言える。残り6試合で勝点4を上積みして勝点30に乗せることができれば、得失点差のアドバンテージもあって“ほぼ大丈夫”だろう。
残り6試合、果たしてどのような結末が待っているのか。もちろん勝点32の鳥栖、勝点33で並ぶ札幌、京都、新潟も含めて大混戦になることも考えられなくはないが、現状では勝点1差の「湘南vs横浜FC」の一騎打ちとなる可能性が高く、第33節の直接対決が“逆天王山”になる。最終節までもつれ込むことになれば、最終戦をホームで戦う湘南がドラマを起こせるか。それは「歓喜」か、「絶望」か。最後の最後まで目が離せない。(文・三和直樹)