社名変更が現実味を帯びてきたジャニーズ事務所

 ジャニーズ事務所の所属タレントなどが、創業者のジャニー喜多川氏から性被害を受けていた問題で、経済同友会の新浪代表幹事は12日、経団連の十倉雅和会長は19日に会見で見解を示した。その“対照的”な発言内容に注目が集まっている。

【写真】「ジャニーズタレントを一度も起用しなかった」外資系企業元社長はこの人

 もちろん「性加害は許さない」という前提は一致している。新浪氏は「絶対にあってはいけないこと」、十倉氏は「これはある種の児童虐待・犯罪行為であり、そういうことが許されることはあってはならない」とともに厳しく非難した。

 ところが、具体的に企業はどうすべきかという問題になると、異なる見解となった。特に広告契約や、民放テレビ局が制作した「ジャニーズ事務所の所属タレントが出演する番組」のスポンサーになるか否かという点は、正反対と言っていい発言内容だった。

「新浪氏はジャニーズの対応を『真摯に反省しているかどうかは大変疑わしい』と疑問視し、『タレントを起用することは性加害を企業が認めることで、国際的には非難の的になる』と指摘。現時点で企業は広告起用や番組提供は極めて慎重であるべきだと訴えたのです。これに対して十倉氏は所属タレントを『被害者であって加害者ではありません』と擁護。『日々研鑽を積んでいる人の機会を長きにわたって奪うということはまた問題もある』と、いわゆる“ジャニーズ離れ”を企業が早急に進めるのは拙速の危険性もあると警鐘を鳴らしました」(ジャニーズ問題を取材している記者)

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井荻稔

井荻稔

ライター。福岡県出身。大手新聞社で主にサツ回りとしてキャリアを積んだあと、主に週刊誌やネットメディアで記事を執筆。フィールドはカルチャーから政治まで広いがゆえに、逆に得意分野はなし。趣味は映画鑑賞と暴飲暴食。

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「ジャニーズのCMも番組も今は見たくない」