ストレッチ、ラジオ体操…肩を動かす習慣を

「通院してリハビリを受けながらご自分でも自宅でリハビリを行うのは、ぜひとも行っていただきたいことです。しかしながら、通院をせずにご自分の判断だけでリハビリのような運動を行うのはおすすめできません。なぜなら、四十肩だと思っていたものが、実は腱板断裂だったというようなことがあるからです」

 腱板断裂は、上腕の骨と肩甲骨とをつなぐ腱が切れてしまっている状態です。これに対して放置したり、誤った処置をしたりすると、悪化する可能性があります。

「必ず整形外科で診断を受けるようにしてください」

 では、四十肩にならないための効果的な予防法はあるのでしょうか。

「原因がはっきりとしていない、そして炎症が起こっている患部がさまざまだというのが四十肩の特徴ですので、これさえやっていれば大丈夫だという予防法はありません。しかし、癒着性肩関節包炎の場合は、肩を動かさずにいると発症しやすいことは確かです。日常生活の中にストレッチを取り入れる、ラジオ体操を毎日行うなどで、肩を動かす習慣を作ることが大切でしょう」

 一般人口の2~5%が罹患すると言われる四十肩。50代男性の4人に1人が罹患し、加齢とともにその割合は増えていくとも言われています。パソコンの普及や生活習慣の変化によって、今後ますます罹患する人が増えていく可能性があり、四十肩は「現代病」のひとつであるとも言えるかも知れません。

 まずは、肩を動かす運動を日常生活へ取り入れて習慣化を。そして、もしも発症した場合は、整形外科を受診して根気よくリハビリで治療を。正しい予防と治療で、痛みのない笑顔の生活を実現しましょう。

(監修 樋口直彦 医療法人藍整会なか整形外科理事長)

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