リビングに仲良く並べた猫ベッド

 今年5月、すっかり元気になった私は、1階の物置きに使っていた部屋を片付けて、ベッドを置き、新たな寝室にしました。するとたちに変化が……。ドアを開けておくと、(私が先に寝ていても)2匹連れだって入ってくるようになったんです。しめしめ! 「音」は人の言葉がよくわかるようで、「今日は一緒に寝たいな~」というと、夜、いつもより近くで寝てくれました。

 ニーナはコミュニケーション能力が高い気がしましたが、どうしても(怖さから)前足がしゅっと前に出てしまい、「音」のように頭にも触ることができませんでした。でも焦らず、“撫でてほしくなる”のを待ちました。「ニーナ」の体に触れるようになったのは、秋、冬、春、と越えて……なんと今年の夏になってから。

 リビングにいた時、こちらを見てシッポをピンと立てていたので、「(機嫌がよさそうだし)もしかしたら触らせてくれる合図かな?」と感じて手を伸ばしたら、するっと背中のあたりに触れたんです。それを音がじっと見ていて、その後、音の体にも触れるようになりました。

今年8月、ニーナちゃんを撫でられるようになった

 その時は突然やって来た! 長い時間、じっくり待った甲斐がありました(笑)。 

 ゴロゴロと喉を鳴らしたのは「音」のほうが先で、やはりこの夏の遅咲きデビューでした、「音」に続くように「ニーナ」もこちらを見てくつろぎつつ、ゴロゴロ喉を鳴らすようになって、本当にうれしかったです。久しぶりに猫のゴロゴロを聞いた~という感じでした。

お近づきのスピードがアップ!

 じっくり待ったと言いましたが、実は、2匹が家に来てから慌てたこともあったんです。

 「音」がまだ一匹でいた頃、夫婦で夕飯に手羽先を食べて、流しに食べた後の骨を置きっぱなしにしてしまったのです。猫が加熱した鶏の骨を飲み込むと(骨がさけて内臓を傷つけることもあるので)非常に危ないと聞きます。焦って片付けなければとキッチンにいったら、「音」がすでに骨を咥えて走っていました。

「音ちゃん、危ないからそれちょうだい」と声をかけたら、言葉を理解したかのように、ポトッと骨を下に落としてくれて、ほっとしました。

「ニーナ」にもヒヤッとした経験があります。去年の夏、リビングの窓から脱走しました。網戸とガラス戸を逆に動かしてしまい、窓が少し開いたままだったのです

 未だコンタクトが取れていない時期だったので、追えば逃げる。庭から隣のアパートにいき、こちらを見て鳴いていました。譲渡してくれた団体に連絡すると、「戻らなければ捕獲機を貸します」とのこと。

 ハラハラして見ていたら、何とか庭まで戻って来ました。「ほらニーナ帰ろう」と玄関のドアを開けると、そのまま、とことこと玄関から入ってきたんです。40分の大冒険。冷や汗ものでしたが、「ちゃんと自分の家だと思ってるんだ」と、安心もしました。

食いしん坊な音がごはんを待っています

早いもので、「音」と「ニーナ」が家にきて、この秋で1年半が過ぎました。2匹のおかげで、我が家は明るく色づきました。今、思い返しても、2匹(との付き合い方)は難易度高め、猫経験のある私達でも辛抱が必要でした。でも、我慢が実を結びました。

「音」は食べるのが大好きで、食事前は今もよき触れ合いの時間だし、「ニーナ」は今では“三度の飯より体を撫でられるのが好き”です。ついこの前、ニーナと鼻と鼻でキッスもできました。ここへきて、お近づきのスピードがアップしています(笑)。 

 当面の目標は、2匹と一緒に寝ること。もしかしたらこの冬、実現するかもしれません。主人は今も2階で寝ていて、「何年でも待つから自分も一緒に寝たい」と言ってます(笑)。どうか叶う日がきますように!

この冬は2匹と一緒のふとんで眠れるかな?
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水野マルコ

水野マルコ

水野マルコ/1961年生まれ。ライター。猫と暮らして30年。今は優しいおばあちゃん猫と甘えん坊な男子猫と暮らしています。猫雑誌、一般誌、Web等での取材歴25年。猫と家族の絆を記すのが好き。猫と暮らせるグループホームを開くのが夢。

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