プロとして新たなキャリアを歩みを始めた“かなだい”
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 この夏、村元哉中と高橋大輔はプロとして新たな歩みを刻んだ。

【感動シーン】涙が抑えられない…演技後氷上でしっかりと抱き合う二人

 高橋は、『THE ICE2023』で“陸ダンス”を披露している。フランスのスケーター、ケヴィン・エイモズとユニット『Diamonds』を結成し、靴を履いて踊ったのだ。高橋は2016年『LOVE ON THE FLOOR』に出演してフロアダンスの舞台に立ち、翌年の『氷艶HYOEN2017~破沙羅~』では、板張りの舞台でヒップホップダンスをみせた。過去にも陸で観客を魅了してきた高橋だが、今回も大いに観客を沸かせている。

“かなだい”としては、『フレンズ オン アイス』でシェイ=リーン・ボーン氏が振り付けた新プログラム『Birds/Makeba』を披露した。アフリカで使われている柄を使ったというこだわりの衣装をまとい、前半はジャジー、後半はアフリカンな曲調に乗って魅了する。高橋がジャンプし、続けて村元がスピンをする部分は、ルールに縛られないプロならではの見せ場だった。アマチュアスケーターであった頃から抜群だったグルーヴ感に、プロとなった二人はさらに磨きをかけている。

 そして村元は、『フレンズ オン アイス』で荒川静香が滑った『歌よ』を振り付けている。荒川のスケールの大きな滑りを生かし、またエモーショナルな動きで観る者の感情を揺さぶる振付は、村元のコレオグラファーとしての才能を証明するものだった。

 8月24日に行われた『フレンズ オン アイス』の公開リハーサルで、初めて『歌よ』を公の場で滑った荒川は、このプログラムについて語っている。

「『苦しい時や辛い時、周りにいる人達がすごく幸せに見えたりして、余計辛くなる。でも明日はやってくるから、それを振り払って強く進んでいこう』という、いろいろな葛藤が組み込まれたプログラムです」

 荒川は「哉中ちゃんに振付していただいたのは、実はこれが3作目」と前置きして、村元に『歌よ』の振付を依頼した経緯を説明した。

「(村元は)シングルスケーターとして滑っていたキャリアもあり、そしてアイスダンサーとしても幅の広いジャンルを踊りこなす。どの競技、アイスショーの作品を見ても哉中ちゃんの身のこなしが私は大好きで、振付するにあたって『哉中ちゃんにお願いしたいな』という思いが、この曲においてはずっとありました」

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プロとしてそれぞれの才能を発揮