スポーツ紙の一部報道によると、山川は登録日数まで残り17日だった国内FA権を、故障者特例措置の適用で今季中に取得できる見込みだという。ただ、今オフにFA権を行使する選択肢は現実的ではない。他球団の編成部は「条件面うんぬんではなく、ファン心理を考えるとFAで獲得という選択肢は考えられない。コンプライアンスに厳しいご時世ですしね。山川も権利の行使を考えていないのでは」と指摘する。

 西武で来季プレーする見通しが立たず、FA移籍も現実的な選択肢ではない。考えられるのはトレードによる放出だ。移籍先の有力候補として、複数のメディアで報じられているのが巨人だ。

 日本ハム在籍時の21年8月にチームメートに暴行を振るったとして、無期限の出場停止処分を受けた中田翔が巨人に移籍した無償トレードが記憶に新しい。当時巨人を取材していたテレビ関係者が振り返る。

 「日本ハムは中田翔の野球人生を考え、移籍先を色々模索したが色よい返事がもらえなかった。そこで手を差し伸べたのが原辰徳監督でした。親交が深い当時の栗山英樹監督から連絡を受け、野球人として中田翔にセカンドチャンスを与えることを決断した。もちろん批判は覚悟の上です」

 ただ、山川を巨人がトレードで獲得するかについては、懐疑的な見方を示す。

 「中田のケースは栗山さんと原監督の関係性があったからこそ実現した。山川は刑事事件で不起訴処分となったが、中田と事案が大きく異なる。球団フロントも獲得に否定的な見方が当然あるでしょう。トレードが実現するイメージはわかないですね」

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「無償トレードになるのでは」