現役ドラフトでDeNAから移籍してブレークした細川成也が奮闘しているが、打線全体の迫力不足は否めない。2年連続最多安打を狙える位置につけている岡林勇希、今季通算2000安打を達成したベテランの大島洋平と球界屈指のチャンスメーカーがいるだけに、4番に座る山川を獲得できれば得点力が一気に上がる可能性を秘めている。本拠地が広いバンテリンドームで本塁打の量産ペースは落ちるかもしれないが、球を遠くに飛ばす打撃技術は球界屈指であることは間違いない。

 中日へのトレード案はあくまで可能性の話だが、山川が来年も1軍でプレーする見通しが立たないようであれば今後の野球人生に大きく影響を及ぼす。

 「公式戦に半年以上出場していないブランクは大きい。練習だけでは限界があるからね。1軍の生きた球を見ないと動体視力も落ちていく。山川の場合は長距離砲だから試合から遠ざかって体のキレが失われると、打球が飛ばなくなる。仮に来季1軍に復帰しても本来の状態を取り戻すのは相当時間が掛かると思う。20本塁打打てれば御の字でしょう」(パリーグ球団の首脳陣)

 山川は西武のユニフォームで1軍の舞台に復帰できるか、それとも――。

(今川秀悟)