「10年間在籍する楽天への思いは強い。入団以来リーグ優勝を果たしておらず心残りもあるでしょう。条件次第では楽天残留の可能性もあるが、本人は先発をやりたい気持ちを持ち続けている。今後の起用方法も影響するかもしれない」(楽天担当記者)
松井はプロ入り後、先発を任された時期もあった。2018年10月4日の日本ハム戦(楽天生命パーク)では、暫定での先発起用2試合目ながら、7者連続を含む1試合14奪三振を記録するなど圧巻の投球を見せたこともある。だが、19年は抑え、20年は先発と救援の両方で起用され、21年に石井一久監督が指揮官に就任してからは再び抑えに固定されている。
「不定期登板のブルペンは調整が難しく故障とも背中合わせ。これから先の野球人生を考えれば先発にこだわるのも理解できる。先発起用を確約する球団を選択する可能性はある」(在京球団編成担当者)
とはいえ、先発投手として松井の獲得に乗り出す球団があるかは微妙なところだ。
「メジャーに挑戦するなら抑えやセットアッパーといった短い回でないと難しい。良い変化球を持っているが打者の目が慣れればバットに当てやすくなる。リーチが長い外国人なら捉えられる確率はさらに高くなる」(MLBアジア地区担当スカウト)
現代野球ではブルペンの出来がチームの勝敗を大きく左右する。確実に試合を締めくくることのできる抑え投手の有無でペナントの行方が決まると言っても大袈裟ではない。松井は先発へのこだわりがあるかもしれないが、どのチームも「抑え」としてオファーをする可能性が高い。
「2年連続でリーグ優勝したヤクルトが低迷しているのは守護神マクガフを放出した影響と言われる。巨人も大勢が離脱したことで試合をひっくり返されたことも多い。他にもDeNAやロッテも抑え投手には苦労させられている。破格の好条件を提示して獲得に手を挙げる球団は多いだろう」(在京テレビ局スポーツ担当者)
球界屈指のクローザーを獲得すればチーム力が格段にアップするのは間違いない。その中でも本命は巨人という声が聞こえる。