楽天・松井裕樹
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 今オフの動向が今から気になるのが楽天・松井裕樹だ。球界屈指の左腕クローザーは4年契約最終年を迎えるだけでなく、海外FA権も取得した。国内外を巻き込んだ争奪戦に発展しそうな雰囲気が漂っている。

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 今季の楽天は最下位に低迷する時期もあったが、少しずつ巻き返してAクラスを狙える順位になってきた。そんなチームで抑えを任される松井は、オフにキャリアの重要な選択を控える中、さらに一段階レベルアップしたようにも見える。

「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では公式球の扱いに手こずり1試合の登板に終わった。メジャー挑戦も視野に入れているだけに悔しさもあったのだろう。(シーズンでは)今まで以上に練習に力が入りコンディション維持にも余念がないことで、さらなる飛躍を遂げつつある」(楽天関係者)

 侍ジャパンではブルペンの柱になることができず、メジャー移籍へ向け自らを売り込むことができなかった。

 気持ちを入れ直したわけではないだろうが、シーズンでは見事な投球を披露している。チーム状態が良くなかったためセーブ数は益田直也(ロッテ)に次ぐ2位だが、46試合に登板して1勝3敗31セーブ、防御率1.62。夏場の疲れもあってか、ここ数試合は打ち込まれる場面もあったが、8月後半まで防御率0点台をキープしていた。4月5日の西武戦(楽天モバイルパーク宮城)ではプロ野球9人目の記録となる200セーブを史上最年少で達成している。

「高校時代からの代名詞であるスライダーに加え、140キロ台のフォークを巧みに操っている。両球種で空振りが取れることで相手打線も狙い球が絞りきれない。真っ直ぐのキレも上がっているので短い回ならメジャーで今すぐにでも通用する」(MLBアジア地区担当スカウト)

 4月27日には海外FA権を取得。また2019年オフに結んだ4年契約が今年で切れるため、今オフは松井自身の意思で国内外どの球団とも自由に交渉できる状況だ。今年で28歳となる年齢を含め絶好のタイミングでのFAなだけに松井の“選択肢”は多いだろう。

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