「当時、大山悠輔、糸原健斗、才木浩人ら若手を我慢強く起用するなど手腕を評価する声も少なくなかったが、CSに進出できず最下位に沈んだことでファンから解任を求める声が殺到する事態になった。金本監督は責任を取る形で辞任しました。契約途中でも監督を続けられる確約はない。シビアな世界であることを実感しましたね」(在阪スポーツ紙記者)

 金本監督の辞任劇を「対岸の火事」とは言えない。数字が全ての世界で、中日は最下位に沈んだ昨年よりチーム成績が落ちている。深刻な貧打は解消できず、1点差ゲームは14勝21敗と競り合いに弱い。昨年はDeNA戦で6勝18敗1分けと大きく負け越したが、今年も5勝14敗1分けとカモにされている。中日ファンとしては屈辱だろう。立浪監督が来季も続投することでチームが劇的に変わるのか、それとも監督を代えて抜本的な改革が必要なのか。

 他球団の首脳陣は、中日についてこう分析する。

 「社交辞令でなく、決して弱いチームではないですよ。ライデル・マルティネスというセ・リーグ№1の守護神がいるので、八回までにリードされる展開だと苦しくなる。先発陣も大野雄大は故障で長期離脱しましたが、小笠原慎之介柳裕也、高橋、ウンベルト・メヒアと力がある投手がそろっている。打線も岡林と通算2000安打を達成した大島洋平の1、2番コンビは厄介です。細川、石川昂弥、宇佐見とパンチ力のある選手が中軸に控えているし、潜在能力が高い選手がいないわけではない。強くなる可能性を秘めていますよ」

 警戒心を露わにする分析は裏を返せば、「首脳陣のやり方次第でチームが強くなる」とも捉えられる。残り試合が少なくなってきたなか、立浪監督は来季に向けて期待を抱かせる戦いを見せられるだろうか。(成績は8月30日時点)

(今川秀悟)

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