その結果として、欧米の人は離婚するとすぐ次の相手、親密性を満足させるパートナーを見つけようとするわけですが、日本人は次の相手、経済生活を満足させるパートナーというのはなかなか見つからないし、親密性の満足だけでは再婚しないわけです。

 その意味では、パートナー圧力は離婚とは関係ないけれども、再婚には関係していると言うこともできるでしょう。

 いずれにしても、相手を嫌いになるか、相手以上に素敵な人が現れるかで離婚するという場合が欧米社会にはあるのです。パートナーを嫌いになっても、子どもがある程度大きくなるまでは離婚を我慢するという選択もありますが、こうした意識は日本に比べて欧米ではそれほど多くありません。

 ただ今日の日本は、多少なりとも欧米型の離婚に近づいているというのが私の見立てですが、その変化が遅いのはなぜでしょうか。

 経済的に自立できたらすぐに離婚したいと思っている女性はたくさんいます。逆に言えば、経済生活が破たんすれば、離婚しない理由はなくなるわけです。実際、私の調査では、離婚理由で多いのは、日本では「夫がリストラされた」とか「夫の事業が失敗した」といった経済的理由なのです。

 一方で、経済状況が厳しくなると結婚にしがみつく人が増えるわけです。ただ繰り返し述べているように、もともと日本の夫婦は仲が良くなくてもかまわない――親密性を軽視している――のであって、ここ十数年でセックスレスも増えています。

 つまり、まずは経済的な理由のおかげで離婚が3組に1組にとどまっているというのが日本の現状なのでしょう。それに加えて、先に述べたような「世間体」も離婚を押しとどめています。

 そして結婚も、日本では経済的理由と世間体でするものになってしまったのです。

[AERA最新号はこちら]