流れが変わったのは、教育事業を通じて紳士服の「AOKIホールディングス」前会長の青木擴憲と出会ってからだ。青木は永崎の中に何かを見たのだろう、「ビジネスマンとして、何か自分で事業をやるべきだ。そしてそれをスケールの大きなものにしなさい」と諭してきたのだ。青木は、積極的に永崎を支援し始める。
前後して、永崎は、ベンチャーキャピタルの赤浦徹(55)とも知己を得ている。赤浦は、投資家の草分け的存在で、これまで数多くの企業に投資、また自らも会社経営を行い成功を収めてきていた。
ある日、赤浦は、「ロケットをやりましょう」と永崎に連絡してきた。
赤浦が当時を振り返る。
「永崎さんは、道に迷われていた。ただ、パワーを秘めていて、何かに妥協したくなくて、まっすぐに自分のチャレンジすべきものを探しているという状況だった。ちょうどそんなときに、『ロケットを定期便で飛ばす際、荷主を見つけてくるような人はいないですか』という話が私のところに飛び込んできた。もちろんすぐに、永崎さんに連絡したわけです」