「こんな清潔感のない状態で、お世話になった先輩の卒業式に出席するのは申し訳ないから、せめて頭だけはキレイにしよう」

 そう思ったボクは、コンビニに走り、T字カミソリを購入。自宅のお風呂場で、頭をスキンヘッドにそり上げた。卒業式当日、周囲は、さすがに、びっくりしていたね。たしかに、かなり、いかつい雰囲気にはなっていたと思う(笑)。

 でも、そんないかつい見た目なのに、周囲からの評判は上々。「さっぱりしていていいね」「すごく似合っているよ」と、いろいろとべた褒めされたのを覚えている。あまりにも評判がいいから、自分でも、「ちょっとりりしくなったかも」などと感じることもできて、スキンヘッドになった新しい自分は、すぐに受け入れることができた。

 一度でも自分で頭をそったことがある人なら分かると思うけど、T字カミソリで頭をそるのって、実はめちゃくちゃ難しい。ボクは、最初、血だらけになった。けっこう痛かったし。

 今では、YouTubeなどで参考動画を簡単に見られるから、それを見ながらやれば、なんとなくそれるのかもしれないけど、あのころは、そんなのは当然ないから、なんとなく自分の感覚でやるしかない。たぶん、そる方向なども、いろいろと間違えていたと思う。あれだけ血だらけになりながら、頑張ってスキンヘッドにしたんだから、周囲からの評判は、余計にうれしかった(笑)。

 今もそうなんだけど、子どものころから、ボクは、髪形というものに対して、どうも無頓着。思春期に、みんなが抱くような「髪の毛を伸ばしたい」「髪の毛を染めたい」などの理想は一度も抱いたことがない。だから、髪の毛を切る頻度も、とくに決まってなかった。なんとなく伸びてきたら、母親がバリカンで坊主にするっていうのが黒川家のスタイル。床屋さんに行ったことは何度かあるけど、自分の意思で行ったことは一度もない。母親に「そろそろ切りなさい」と言われて、渋々行くような感じだった。

暮らしとモノ班 for promotion
大人のリカちゃん遊び「リカ活」が人気!ついにポージング自由自在なモデルも
次のページ