自民党の最大派閥、100人を擁する安倍派(清和政策研究会)は、8月17日に総会を開き、昨年7月に安倍晋三元首相が亡くなって以降、長期間不在だった会長のポストは決めず、塩谷立会長代理が「座長」に就く新体制を敷くことを決めた。
意思決定機関として「常任幹事会」を設置し、「5人衆」と呼ばれる萩生田光一政調会長、西村康稔経済産業相、世耕弘成参院幹事長、松野博一官房長官、高木毅国対委員長と、ほかの有力議員による集団指導体制となる。
「塩谷氏が座長として、まとめ役になるとの説明でした。つまり5人衆がケンカして派閥を割ったりしないように、調整するとのこと。これまでとさして変わりがないですけどね。けど、安倍元首相が亡くなって1年以上、会長は誰か、と5人衆をはじめ会長になりたい人の暗闘が続いていたので、正直疲れていました。派閥の多くのメンバーが『なんでもいいから、とにかく一度、決めてくれ』という感じで、総会は消極的な了承でしたね」
安倍派の衆院議員は疲れた様子でそう話した。
同様の声は、安倍派の他の議員からもあがっている。「座長」になった塩谷氏については、すでに「総裁候補」から外れているとされており、結局、会長不在の状態が続くことには変わりがない。
安倍元首相の前の会長だった細田博之・衆院議長も、トップでありながら総裁候補というわけではなかった。