「2年前の総裁選では安倍元首相が推したことで、派閥の一部が高市氏についた。岸田首相に続き2番手に食い込んだのは記憶に新しい。高市氏は安倍派内でも潜在的な人気があり、保守層からも幅広い支持がみられる。派閥から誰も出ないとなれば、安倍元首相のお気に入りで、無派閥の高市氏をもう一度という人が出てきてもおかしくありません」
派閥の選挙で決めればいい
総会後、塩谷氏は取材に対し、
「全会一致で了承してもらいました。常任幹事会が会長の役割となって重要事項を決めていく。新しい会長は、解散・総選挙や総裁選など節目があるときに、動きが出てくると思う」
と述べるにとどまった。
前出の田村氏がこう指摘する。
「派閥に所属していない高市氏という名前が出てくる時点で派閥が不安定な証拠です。今、日本の経済がだめなのも、安倍派の会長が決められないのも根っこは同じで、問題の先送りに思えてなりません。民主主義なので、派閥の選挙で決めればいいのです。最大派閥のトップは日本のリーダーになる有資格者です。派閥で選挙をやって、自ら道を切り開くという覚悟のある人に出てきてほしいものです」
(AERA dot.編集部・今西憲之)