「会長を決めろという下村氏の主張は正論で、同調する声はかなりありました。派閥内で選挙をしてもいいのでは、という意見も出るほど。下村氏は来年の自民党総裁選に出馬したいという意向もあって、塩谷氏と会長を争ってでも、とまで口にしていました。一方、塩谷氏は、座長になって派閥運営をしたい、と根回しを続けていた。正論は下村氏だが、勝ったのは塩谷氏と見られても仕方ない。そこが下村氏の甘いところ。後がないのでガチンコで勝負してもよかった」
さらに、安倍元首相亡き後も派内に影響力を残す森喜朗元首相が5人衆の形を支持してきたこともあり、距離のある下村氏の主張は広がることはなかったようだ。
実質は“3人衆”
ただ、塩谷氏が常任幹事会のメンバーから下村氏を外した場合は、また新たな火種になることも考えられる。
そんななかで、早くも来年の自民党総裁選の話が出る安倍派。総裁選には西村氏、会長には萩生田氏という「分離論」がさかんに議論されている。これにも森元首相の意向が強く反映されているとみられている。
「5人衆と言われますが、世耕が参院議員のまま総裁選に出るのは現実的ではないし、皆さんがご存じのようにスキャンダルを抱える高木氏は圏外です。そうなると実質、西村氏と萩生田氏、松野氏という“3人衆”です。そのうちの誰か一人、となるとよけいに決まりそうにない」(前出の安倍派議員)
そんななかで再度、浮上してきているのが高市早苗・経済安全保障相だという。