「学校ではひたすらトイレを我慢。最近は多目的トイレができたのでそこを使ってます。教室から遠くて行きづらいけど、ないよりはあったほうがいい」
学校のことではプールの授業や着替え、修学旅行に関する悩みや心配もよく書き込まれる。
明るい話題もある。車や美容など趣味の話で盛り上がることも多く、改名やSRS(性別適合手術)の報告が書きこまれた際は祝いのコメントが続く。今年の春は「制服が選択制になった」と喜ぶ声も複数あがった。
トランスの子をもつ保護者らが運営するサポート団体もある。S-PECは2カ月に1度、宇都宮市の近辺で交流会を開いている。参加者はトランス当事者のほか、その家族や教員、スクールカウンセラー、医師や議員など約20人。同団体は19年に制服選択制を求める署名活動を行い、21年から栃木県内の多くの県立高校で制服選択制を実現させた。代表者は「私たち大人が見る姿と当事者の子どもたちが心に抱えるものは違う。交流会に出てこられない人がたくさんいることも忘れないようにしている」と話す。(ライター・大塚玲子)
※AERA 2023年8月28日号より抜粋