
前外務政務官の秋本真利衆院議員(48)=比例南関東、当選4回=が「日本風力開発」(東京都千代田区)の塚脇正幸社長(64)から約3千万円を受け取ったとされる贈収賄疑惑。そのうち約1千万円については、秋本氏が塚脇社長に対し、「馬を買いたいから出してほしい」といった要求をしていたとみられている。秋本氏の“競馬好き”は有名で、その知識は調教師もうなるほどだったという。
東京地検特捜部は8月4日、秋本氏の議員会館の事務所や千葉県の自宅などを収賄容疑で家宅捜索し、翌5日には日本風力開発の東京本社と塚脇社長の自宅などを贈賄容疑で捜索した。秋本氏は外務政務官を辞任し、自民党を離党した。
特捜部は、塚脇社長が、国の洋上風力発電事業で日本風力開発が東北地方の区域などに参画できるよう、秋本氏に便宜を図ってもらい、国会質問や評価基準の見直しなどに対する謝礼の意味があったとみているようだ。この事業は、国が海域を決め、事業者を公募する仕組みで、塚脇社長は自民党の「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟」事務局長も務める秋本氏に対し、陳情を繰り返していたという。
一方、秋本氏と塚脇社長は馬主仲間で、2021年秋に競走馬を保有する馬主組合「パープルパッチレーシング」を設立していた。出資比率は秋本氏と塚脇氏がともに45%ずつ、残り10%は秋本氏の知人が出資しているという。