秋本氏は、疑惑が出てからは沈黙を守ったままだ。一方の塚脇社長側は当初、
「馬主組合に出したもので、国会議員の職務権限にかかるものではなく、贈収賄ではありません」
と否定していたが、一転、弁護士を通じて贈賄を認める意向を示した。
方針を変えたのは「会社の事業継続のため」としている。また、2019年に秋本氏がJRAの馬主登録をする際、条件である「保有資産7500万円」をクリアするために、塚脇氏が3千万円を提供していたこともわかった。数カ月後、秋本氏から全額返済されたという。
前出の落合弁護士は、馬主組合を通じての“賄賂提供”というやり方について、
「馬主組合の出資割合にあわせてカネを互いに出し合っているのかどうかはポイントになる。競走馬が稼ぐ賞金も、出資割合で分配されていればいいが、そうでなければ秋本氏への賄賂となりかねない」
とした上で、
「特捜部も議員会館まで家宅捜索をするのだから、かなりのところまで詰めて捜査しているはず。動きは早いのではないでしょうか」
との考えを示した。
支持率低下が著しい岸田政権。秋本氏の「Xデー」となれば政局にも大きく影響しそうだ。
(AERA dot.編集部 今西憲之)