ジェームス・バーダマン先生
ジェームス・バーダマン先生 (c)2023 Peanuts Worldwide LLC www.snoopy.co.jp
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 みんなが大好きなスヌーピーですが、原書の英文コミックって、かんたん? それともむずかしい?

【画像】チャーリー・ブラウンとスヌーピーが使っている英語、わかりますか?

 実は、スヌーピーたちが使う英語のほとんどは、日本人が中学3年生までに習うレベルのかんたんな単語しか使っていません。それなのに、どうして意味がわからないのか……。

 それは、日本人に足りない「ふたつの知識」があるからです。

「ふたつの知識」とは「文化背景の知識」「セットフレーズの知識」です。前回の記事(「外国人が『ドラえもん』を日本語で楽しむために必要な“ふたつの知識”」)で、その概要をお伝えしました。

 今回は、その知識の先にあり、英会話力の肝となる「予測力」について、刊行されたばかりの『毎日のスヌーピー』から、解説部分を抜粋して掲載します。日本で長年英語を教えている早稲田大学名誉教授のジェームス・バーダマン先生が編著です。

 本文を読む前に、次の画像(※外部配信先では図版などの画像が全部閲覧できない場合があります。図版をご覧になりたい方は、AERA dot.でご覧ください)のチャーリー・ブラウンの言葉がわかるか、挑戦してみてください。

チャーリー・ブラウンは、スヌーピーになんと言っているでしょうか? (c)2023 Peanuts Worldwide LLC www.snoopy.co.jp

 画像が見られない人のために、テキストを書き出してみました。

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I know you! I’m on to your little game!
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 このコマの前では、下記のようなやり取りがありました。それをヒントに考えてみてください。

 食事を求め、フードボウルをくわえて来たスヌーピーに、チャーリー・ブラウンはすこし怒りながらこう伝えます。

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It’s not six o’clock yet! I refuse to feed you even one minute before six o’clock!
(まだ6時じゃないよ! 1分でも6時より前だったら、ご飯はあげないからね!)
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 この後に、先ほどの「I know you! I’m on to your little game!」がきます。

 それでは、本書の柱となる「ふたつの知識」について詳しくご説明いたします。

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「文化背景の知識」と「予測力」