
最終回。最後の打者をスライダーで三振に仕留めて雄たけびを上げた。
「ベンチを見た時にみんなが飛び出してきて、勝ったんだって実感が湧きました。高校野球をやってきて一番うれしかった瞬間です」
試合後、取材中に聖光学院の斎藤智也監督からすれ違いざまに声をかけられた。
「甲子園で投げるのにふさわしい投手だ。勝ち上がって負けるなよと、そんな言葉だったと思います。うれしかったし、頑張ろうと思いました。もちろん甲子園が見えてきました」
一躍、全国から注目が集まるも、決勝で九回サヨナラ負け。光南は甲子園に届かずに夏が終わった。
「ホントに出たかったですし、本気で悔しかった。あの時は王者を破ったから、代表校は当然俺たちだっていう自負がありました。それが油断となって負けたと思います。良い教訓になりました」
現在、星は東北福祉大野球部に所属。次のステージを目指している。
聖光学院 000 000 010 1
光 南 100 000 04× 5
(内山賢一)
※AERA増刊「甲子園2023」から

