千歳高校の出身者には、なぜかメディア、芸能関係者が多い。 作家の井沢元彦さん、片岡義男さん、本田靖春さん、イラストレーターの和田誠さん、編集者の花田紀凱さん、俳優の仲代達矢さんなど。なるほど、堤さんのような個性的な人材が生まれるのも納得してしまうような環境だ。千歳の閉校は残念である。
千歳の校地には、同校が明正高校と統合して開校した芦花高校がある。
■高校野球監督の出身高校は?
高校野球監督の出身について話を戻そう。
出身高校はどうか。49代表の監督の出身高校は48高校を数え、全国に散らばっていた。1校だけ2人の指導者を送り出した学校がある。浦和学院だ。前出、浦和学院の森監督と、共栄学園(東東京)の原田健輔監督である。
高校野球監督には高校、大学時代に活躍した、腕に覚えありのアスリートが少なくない。高校時代に甲子園で全国制覇した監督がいる。プロ野球で活躍したかもしれない人材もいる。一方で高校野球の指導に人生を捧げる、根っからの教え好きがいる。
そのむかし、高校野球監督のなかには、暴力を辞さない「指導」を行っていた人がいた。朝から晩まで一日の大半を野球漬けにする人もいた。いまは、そんなスパルタは時代に合わなくなっている。選手の健康管理に十分気を配るなど、考え方も以前とはずいぶん変わってきた。
高校野球の楽しみ方には、選手の一挙手一投足をじっくり見守ることがある。そして、監督の表情、仕草を見るのもなかなか興味深い。こんなすごい野球歴をもっていたんだ。こんなおもしろい人生を送ってきたのか。そう考えると、野球の楽しさがもう一つ増える。ほんのちょっと、「監督さん」に注目してみよう。
※文中「甲子園出場監督をみると母校で指揮をとるケース」を当初18校としていましたが、「文星芸大附(栃木県)」が抜けておりました。19校に訂正します。