東京のおしゃれな街で人気のパン屋さんを営んでいる、ある男性は、幼稚園のころすでに「どうすれば世界は平和になるんだろう」と考えていたそうです。そして青年になり、アフリカ大陸をバイクで横断したり、フランスでパン屋に住み込みで働かせてもらったり、帰国して国連難民高等弁務官の外郭団体でボランティアをするなかで、インドで理不尽な差別を生んでいるカースト制度にパン屋がないことに気づきます。それなら下層の人々を救うために、彼らにカーストの階層にはない新しい職業であるパン屋を営む方法を教えればよいと思いついて、まず自分がパン屋になったところ、それが人気店になってしまったというのです。

 学校の成績は決して良くなかったけれど、なぜか子どものころから「コンビニが店ごとに店内の造りが違うのはなぜなんだろう」という疑問を持ち続け、そこから経済の仕組みに関心がつながって起業家として成功した人がいます。

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