国語の問題を「テクニック」で解くことに対する批判は根強いが、都内で長年、「β(ベータ)国語教室」を運営し、『全教科対応! 読める・わかる・解ける超読解力』の著書もある善方威さんは「誤読をしないための原則を知ることは、テクニック以前の問題」と言う。母語ゆえになんとなく読めた気になったまま誤読している受験生は多いが、善方さんが運営する教室で効果が実証されている問題文の読み方があるという。
「生徒の読解力が下がっているのではありません。求められる読解力が、高くなってしまったのです」(善方さん)
高度な読解力を身につけるためには、まず精読ができなければならない。飛ばし読みのクセがつかないよう、読み切ることができる分量の出題をすべきではないだろうか。(ライター・黒坂真由子)
※AERA 2023年8月7日号より抜粋