X子さんの取り調べを担当した元刑事の佐藤誠氏(撮影/上田耕司)
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 岸田首相の側近、木原誠二官房副長官の妻・X子さんの元夫の不審死事件は新たな展開を迎えた。「週刊文春」はX子さんの事件への関与や木原氏が捜査に介入した疑惑を追及してきたが、28日、X子さんの聴取を担当した元警視庁捜査一課殺人犯捜査第一係の佐藤誠氏が記者会見を開いた。そこで語られた、知られざる“真相”とは――。

【顔を出して「再捜査」を訴えた安田種雄さんの実父】

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「警察庁長官が『事件性はなかった』とうそを言っているのを聞いて、許せなかった。この事件はどんな刑事が見ても事件性ありと考えるはずなんです。証拠品や供述は私に集中していましたが、それを吟味しても事件性がないなんて絶対に言えない。これは断言できます。自殺で片付けるんなら、その証拠をもってこいよと思います」

 佐藤氏は1983年に警視庁に入庁。2004年に捜査一課に配属され、長年、殺人事件などの捜査に当たってきた。22年に警視庁を退職したが、在職中に担当した仕事のひとつが、木原氏の妻・X子さんの取り調べだった。

 X子さんの元夫で、風俗店勤務の安田種雄さん(享年28)が自宅で不審な死を遂げているのが発見されたのは06年4月10日。当時の生々しい状況を、第一発見者である安田さんの実父は、今月20日に開いた会見でこう話した。

「まさかそこで変わり果てた息子を見つけることになるとは思ってもいませんでした。息子は血まみれで、目を見開いたまま倒れていました。血は天井まで飛び散っており、右太ももの2~30センチ先には細長いナイフがきちんと置かれていました」

 週刊文春(7月6日発売号)では、安田さんの遺体の状況を、捜査関係者のコメントを基に、こう報じている。「ナイフを頭上から喉元に向かって刺したと見られ、その傷は肺近くにまで達していた。死因は失血死。さらに安田さんの体内からは致死量の覚醒剤が検出された」

 警察は事件を覚せい剤の乱用による自殺と判断したが、安田さんの遺族が納得していないことも鑑み、未解決事件として扱っていたという。

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唐澤俊介

唐澤俊介

1994年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。朝日新聞盛岡総局、「週刊朝日」を経て、「AERAdot.」編集部に。二児の父。仕事に育児にとせわしく過ごしています。政治、経済、IT(AIなど)、スポーツ、芸能など、雑多に取材しています。写真は妻が作ってくれたゴリラストラップ。

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