今年は不調が目立つ中日の助っ人ビシエド
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 中日が苦しんでいる原因の1つに、優良な外国人の補強ができていないことが挙げられる。そういう意味でも、長期の低迷からの脱出に助っ人の力が必要なのは間違いないだろう。

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 立浪和義監督2年目のシーズンも昨年に続き最下位に沈んでいる。チームの将来を担うような若手選手も台頭し始めてはいるが戦力不足は明らかで、現状の順位は致し方ない部分も多い。

「投手は上位争いできそうな選手は揃っているが打線が弱すぎる。得点力が低いため投手は苦しい投球になってしまう悪循環。石川昂弥や細川成也のような打者も出てきたが確実性はまだ低い。強打の外国人野手が1人でもいれば状況は違ったのですが……」(中日OB)

 中日は7月28日終了時点でチーム得点(259)、本塁打(40)ともにリーグ最下位。得点力の低さが勝ち星が伸びない原因となっているが、助っ人の働きも大きくそれに影響してしまっている。

「打線の柱だったビシエドが年齢的なものもあり衰えが激しい。加えて代役を期待したアキーノが一軍で使えない状態では話にならない。出戻りで獲得のアルモンテも前回在籍した時からこんなもの。皮肉にも外国人によって打線弱体化が進んでしまった感じ」(在京球団編成担当者)

 2016年に入団し、2018年には首位打者を獲得するなど、長年中日の打線をけん引してきたビシエドも今季で34歳。ここ数シーズンは数少ない打線の“頼みの綱”だったが今年は打率2割台前半の低空飛行となっている。さらに3年ぶりに復帰したアルモンテも打率1割台で出場28試合にとどまっている。また、メジャー通算41本塁打のアキーノは大きな期待をされていたが一軍では通用せず、シーズンの大半を二軍で暮らすことになってしまっている。

 ところが野手とは対照的に中日の外国人投手は安定した働きを見せている。マルティネスは絶対的クローザーに君臨、途中入団のパナマ代表右腕メヒアも安定した投球を続けている。

「投手に関しては今でも中南米ルートの強みを感じさせる。他球団も同様に中南米出身の選手獲得に動いても、中日ほどの当たり選手を生み出していない。森繁和氏が退団して時間は経つが、残された遺産が健在なのを感じさせる」(中日担当記者)

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今も残る森氏の“財産”