岸田首相は防衛費を増額させるために増税する方針を示しましたが、何が足りず、なぜ必要なのか、どこまで装備を増やすのか、などの具体的な説明は一切せず、国民が納得する状況にはなっていません。
国民の反発の強いマイナカードの問題では河野大臣に任せきりで、事態を悪化させました。岸田首相は大変なことに手を突っ込まないような印象もあります。
7月に九州各地で豪雨が発生し、多数の死傷者が出るなど多大な被害が起きましたが、岸田首相は7月11日からNATO(北大西洋条約機構)の首脳会議などに出席するためにヨーロッパに、そして16日からは中東へ行きました。
すでに決まっていた予定だからとはいえ、国内に甚大な被害が出ており、「いまこそ国内に注力すべき」というタイミングで外遊に出ていったのは、「優先順位を考えられない首相」という印象を与えました。
内閣改造では改めて国民の声に向き合う姿勢を示す必要があるのですが、岸田首相のこれまでの言動を見ていると、それは難しいように思えます。下落する支持率を反転させ、攻勢に出る岸田首相の姿は現時点では思い描けませんね。
(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)