国民の側からすると、「河野氏を留任させるとは何事か」という気持ちもあると思いますが、岸田首相の立場からすれば、この厳しい状況を図太く乗り切れるのは河野氏以外にはいない、という流れになるのもあり得ると思います。
自民党幹事長に小渕氏抜擢も
茂木氏は東京都での公明党との衆院選の選挙協力に関して調整に失敗し、交代説があります。茂木氏は外務大臣をやり、幹事長もやりましたから、次は財務大臣に就く可能性があります。
そうすると、幹事長を誰にするのか。麻生派から幹事長を出すとしたら、鈴木俊一・財務大臣が考えられます。ただ、鈴木氏が幹事長になれば、麻生氏が面白くないでしょう。自分の引退を早めることになりますから。
そこで白羽の矢が立つのが、小渕優子衆院議員です。閣僚などの候補となる女性は高市早苗や稲田朋美、野田聖子ら各氏がいますが、勢いはありません。これまでの雰囲気を一新するために、新しい女性の顔を出したいとなると、小渕氏が有力です。
小渕氏は2014年に政治資金規正法違反容疑が発覚して、経済産業大臣を辞任。問題発覚後にドリルで破壊されたパソコンのハードディスクが見つかり、「ドリル優子」などと揶揄されてきましたが、党内外の役職も断わりながら長く謹慎期間を過ごしてきました。事件から9年がたっていますから、ここら辺で「反省とみそぎは終わった」として抜擢されるかもしれません。
ただ、小渕氏が幹事長になると、面白くないのは茂木氏でしょう。
小渕氏は茂木派です。茂木氏からすれば派閥内に、首相を目指すライバルが出現するのは面白くない。財務大臣のポストも、国民の負担が増しているなかでまさに「悪役」。茂木氏にとっても魅力的なものには映らないかもしれません。そうなると、茂木氏も幹事長に留任ということになるかもしれません。
そもそも支持率下落の原因は
内閣改造をすれば、支持率は一時的に改善するとは思いますが、支持率が下落している根本的な要因は、岸田首相の姿勢にあります。