褒められるのは誰にとってもうれしいことだが、あまりしつこく褒められるのは、相手にも何か褒め返さなきゃいけない気がしたり、謙遜したりして、居心地が悪い。しつこく褒めてくるタイプの人は、どういう心理でそうしているのだろうか? 心理カウンセラーで「自分中心心理学」を提唱する心理相談研究所オールイズワン代表の石原加受子さんが監修した『心理学でわかる 女子の人間関係・感情辞典』(朝日新聞出版)から、ひたすら褒めてくる人の心理と上手な対処法を紹介する。
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日本では「褒めて伸ばす」という教育の歴史が浅いためか、褒めるのも褒められるのも苦手な人が多いようです。本来、褒められてうれしくない人はいないはずですが、同じ人からあまりにもしばしば褒められると、段々うるさくなってきますね。
どうしてそんなに褒めまくるのでしょうか。その理由としては、
(1)本当に素晴らしいと思っている
(2)とりあえず褒めることで「いい人」を演じている
(3)プレッシャーをかけてつぶそうとしている
(4)好かれたくて媚を売っている
(5)卑屈になるしか愛される方法を知らない
(6)わざと褒めてみて、相手が思い上がっていないか確かめている
(7)褒め言葉を使って嫌味を言っている
などが考えられます。もしかしたら、もっとほかにもあるかもしれません。
いずれにせよ、あなたが気にかける必要はありません。それは相手の自由であって、あなたが立ち入る筋合いはないからです。
単純に「ありがとう」で終わらせ、謙遜や褒め返しはいらない
相手の思惑がどうであれ、言葉通りに受け取って素直に「ありがとう」と答えるだけで十分です。謙遜したり、心にもないお世辞を返す必要もありません。
褒められて不快になる理由は「相手の期待に応えなければならない」という考えです。スタイルがいいと言われたら絶対に太れない。営業成績を評価されたら次回はもっといい成績を出さなくてはならない……。