松下洸平さん直筆の連載タイトルロゴ
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松下 それにしても……。毎週ラジオで聴いていた声を、いま直で聴いているので、不思議な気持ちです。

高須 あはは(笑)。「放送室」は、僕も松本も忙しくなり、会議以外で話す機会がなくなった時に、以前みたいに世間話しながら、面白いこと考える時間にしたいという趣旨で始まったんです。

松下 そうだったんですね。

高須 松本と今の世の中で「こんなんおかしいと思わない?」と話したことは、後々の「ワイドナショー」(フジテレビ系)につながる企画になり、「人志松本のすべらない話」(同)も「放送室」での話の延長線上で始まりました。

松下 「すべらない話」について放送室で話されていたことは、とても印象的でよく覚えています。「芸人ならば誰しもひとつは持っている面白い話を、ただしゃべるだけというのは企画としてアリじゃないか」と。

高須 そうです。フジテレビのプロデューサーに提案して、最初は「数字取れないだろう」と言われて深夜帯でしたが、ゴールデンになりました。

松下 すごいですね。僕は「放送室」を聴き続けた10代と20代を経て、32歳の時にNHK連続テレビ小説「スカーレット」のオーディションに受かりました。ドラマの舞台は滋賀県の信楽。僕が演じたヒロインの相手役は大阪生まれの設定で、関西弁はマストだったんです。

高須 それは大変でしたね。

松下 でも、僕は「放送室」で耳が慣れていたので、関西弁で困ることが一切ありませんでした。出演が決まってからは「放送室」を毎日のように聴きまくって、改めて耳で覚えました。

高須 ええーっ!? 「放送室」で「スカーレット」?

松下 そうです(笑)。

高須 それは大変ありがたいですけど……。そんなこと言っていいんですか(笑)。

松下 方言指導の先生には、時代によって言い方が違うところを少し直していただくくらいでした。朝ドラでの僕の関西弁は、ほぼダウンタウンさんと高須さんのおかげです。

○たかす・みつよし/1963年生まれ、兵庫県尼崎市出身。放送作家として、ダウンタウンのほぼすべてのレギュラー番組を手がける。映画・ドラマの脚本、作詞、ラジオパーソナリティーとしても活躍中

○まつした・こうへい/1987年生まれ、東京都出身。3rdシングル「ノンフィクション」が発売中。8~9月、こまつ座40周年(第2弾)第147回公演「闇に咲く花」に出演予定。9月、映画「ミステリと言う勿れ」公開予定

(構成/編集部・古田真梨子)

※この対談の続きは、AERA 8月7日号(7月31日発売)に掲載します。

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古田真梨子

古田真梨子

AERA記者。朝日新聞社入社後、福島→横浜→東京社会部→週刊朝日編集部を経て現職。 途中、休職して南インド・ベンガル―ルに渡り、家族とともに3年半を過ごしました。 京都出身。中高保健体育教員免許。2児の子育て中。

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