当時130試合制ということもあるが、「三振が多い」イメージの王は、三冠王獲得の2年とも40個台である。落合博満も3年とも少ない。「狙った球は逃さない」「ミスショットが少ない」「バットコントロールが巧み」ということだ。

 それでも村上は、今季7月12日の中日戦で6月25日以来の13号・14号を放った。翌13日には15号。特に15号は左腕・小笠原慎之介(中日)の122キロ変化球を左翼席(神宮球場)にほうりこんだ「村上らしい」一発で、復調のきざしが見える。

 三冠王とはいえ、まだ今季6年目の発展途上。村上が過去7人の三冠王にどうやって近づき、超えていくのか。まだ興味は尽きない。

 (新條雅紀)