チャンスを絶対モノにするという執念が伝わってくる。移籍後初出場した6日の西武戦(東京ドーム)から4試合連続安打をマーク。8日の日本ハム戦(エスコンフィールド)では同点の7回2死一、三塁の好機に代打で登場すると、日本ハム在籍時に世話になった左腕・宮西尚生から勝ち越しの中前適時打。移籍後初打点となる一打が決勝打となり、9日の日ハム戦(エスコンF)では「7番・右翼」でスタメン出場した。 

 石川の交換要員でロッテから巨人に移籍したのが、身長189センチの右腕・小沼健太。25歳と若く、伸びしろ十分だ。 

「目先の結果だけを見てトレードが成功か、失敗かの判断はできない。以前より少なくなりましたが日本球界は移籍先で活躍している選手を見て、『このトレードは損だった』など批判的な声がSNS上で見られます。選手が新天地で輝きを取り戻したのならトレードで放出した球団の判断は評価されるべきです。『飼い殺し』は選手の可能性を奪ってしまう。メジャーのように、日本もトレードがもっと活発になっていいと思います」(米国駐在の通信員) 

 トレード補強はチーム力の底上げにつながるだけでなく、伸び悩んでいる選手たちが新天地で輝くチャンスを得られる。シーズンが折り返しを過ぎ、セ・パともに優勝争いは混戦模様だ。シーズン途中の補強に動く球団は今後も出てくるだろう。 

 注目されるのは、トレード補強に積極的な球団で知られる巨人だ。現在4位だが、逆転優勝が可能な位置につけている。懸案材料は救援陣だろう。守護神・大勢はコンディションが万全でなく、6月30日に登録抹消された。腰痛から復活した中川皓太、変則左腕の高梨雄平、大江竜聖、DeNAを昨オフに戦力外となり、今年1月に加入した三上朋也、オリックスから広岡大志との交換トレードで加入した鈴木康平、先発から配置転換された新外国人のタイラー・ビーディ、ドラフト3位右腕の田中千晴、2年目右腕の菊地大稀が奮闘している。新外国人左腕のアルベルト・バルドナードも13日に1軍合流した。6、7月は救援陣がリーグ屈指の安定感を誇るが、リリーバーの層を厚くしたい思惑があるのだろう。勝負の後半戦に向け、さらなる補強に踏み切る可能性は十分に考えられる。

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出血覚悟でないと……