私はこの世界から「報われない努力」というものを減らしたいのです。 実は私は、根っからの「めんどくさがり」です。
このような「勉強の戦略」という発想にたどり着いたのも、私が「めんどくさがりだから」というところに起因しています。 そういう性格なので「努力できる人」のことをすごく尊敬しています。
目の前のことにがんばって取り組み、何かを成し遂げようと汗を流す。そういう人を私は素直に「すごいな」と思います。
だからおせっかいかもしれませんが、その努力をムダにしてほしくないと思うのです。
せっかく努力するのであれば、きちんと結果を出し、成果に結びつけてほしい。
そこで「めんどくさがり」な私が、現場で身につけてきた「戦略」の立て方をお伝えすることで、多くの人の努力が報われてほしいのです。
■学生と社会人では、勉強法が根本から異なる
海外の研究でも、この「勉強の戦略」が近い将来にはビジネスの分野でも必須スキルとなるという予測もあります。
オックスフォード大学が2013年に発表した『雇用の未来』という論文では、AIやロボット技術の進化に伴う、2030年の労働する人びとに求められる能力について論じられています。
そして、その論文で、今後働く人びとにとって、最も必要とされると予測されたスキルが、「戦略的な勉強(Learning Strategies)」なのです。
「終身雇用の崩壊」や「人生百年時代の到来」などが予測される日本でも、「リスキリング(学びなおし)」という言葉が広まりつつあります。
「社会人こそ勉強をすべき」という時代だからこそ、時間がない中でもどれだけ戦略的に勉強できるのかが問われるようになってきているのです。
そもそも勉強で結果を出すには、「効率×時間」で生み出せる価値を、いかに大きくするかが大切です。
勉強を教える人の中には、「とにかく気合でがんばれ!」と言う人もいます。