くらっぺ/1986年生まれ。徳間書店のCOMICリュウ第8回龍神賞への初投稿作品『アイツのミー』が銅龍賞を受賞しデビュー。謎の生き物はぐちさんとOL八千代のゆるゆるライフ『はぐちさん』が大人気 (C)くらっぺ
くらっぺ/1986年生まれ。徳間書店のCOMICリュウ第8回龍神賞への初投稿作品『アイツのミー』が銅龍賞を受賞しデビュー。謎の生き物はぐちさんとOL八千代のゆるゆるライフ『はぐちさん』が大人気 (C)くらっぺ
この記事の写真をすべて見る

 まんが投稿・公開サイトが花盛りだ。かつて、まんが家になるには、出版社への持ち込みやまんが雑誌の新人賞に応募するというのが王道だったが、いまは、Twitter、pixivなどのコミュニケーションツールのほか、まんが投稿・公開サイトで自ら作品を発表し、話題になったり編集者の目にとまったりして、デビューが決まるケースもある。

【4コマまんがはこちら】かわいい!癒される!Twitterで人気の『はぐちさん』

 子どものころ、誰しも一度は好きなキャラクターの絵をかくことに夢中になった経験があるだろう。その延長線上でまんが家という職業に憧れを抱いたとしても、プロデビューできるのはほんの一握りだった。現在も、狭き門であることは間違いないが、かつてに比べるとプロのまんが家へと続く道は増えていると言っていい。

 7月に刊行された『キャラとストーリーがもっとつくれる!まんがのかき方パーフェクトBOOK』はまんが家を夢見る子どもたちに向けて、おもしろいまんが作りの核となる「ネーム作り」のコツを丁寧にレッスン。四つの例題でストーリーの展開のさせ方を学ぶことができる。別冊付録には、なぞったり描き足したりできるオリジナルの原稿用紙も収録。プロの漫画家インタビューもあり、子どもの「やってみたい」を刺激する構成となっている。

 夏休みを前に、今回はこの本に収録されているまんが家くらっぺさんへのインタビューを公開したい。くらっぺさんは、不思議な生き物「はぐちさん」とOL八千代のちょっと変わった日常を描いた『はぐちさん』(祥伝社)の作者。「厳しい世界だ」という親の言葉に、自分がまんが家になるのは無理だと思い込み、一度は就職。でも、子ども時代からの憧れは捨てられなかった。くらっぺさんを人気まんが家にしたきっかけは、Twitterへの投稿だった――。

*  *  *

――くらっぺ先生が、はじめてまんがをかいたのはいつですか?

 小学2年生のころ、兄がノートにかいていたのをマネしてかいたのが最初です。私は3兄弟の末っ子で、2人の兄も、小さいころは夢中になって絵をかいていたのですが、年齢が上がるにつれて2人とも絵をかかなくなり、自分だけが何歳になってもかき続けていました。

次のページ
「なりたいな、でもなれないな」と思っていた