5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
case.48 「いる・いらない」の判断が片づけの決め手
夫+子ども1人/歯科衛生士
もともと片づけができる人にとって、「片づけられない」という悩みは理解できないことかもしれません。その悩みを持っているのが、たとえ身近な存在である家族だとしても。
今回ご紹介する女性は、小さな頃から片づけが苦手でした。でも、モノが少なかったので、当時はそれほど困ることはありません。だんだんと生活に影響してきたのは、就職をしてから。
「仕事で疲れて、家に帰ると何もやる気が起きなくて。最低限の家事として料理と洗濯はしましたが、片づけや掃除までは手が回りませんでした」
結婚してからも片づけは苦手なままで、子どもが小学校入学のタイミングで引っ越した家も、すぐにモノでいっぱいになりました。夫も息子もどこに何があるかわからず、手がつけられない状態に。
夫は片づけが得意というわけではありませんが、自分のモノは把握していて、それなりにきれいな状態に保つことはできました。夫が探し物をする度に、ケンカになりました。なぜ片づけられないのかわからないという夫や息子からは、「片づけられない病気だ」とも言われたこともあります。
「息子はモノだらけの家が普通だと思っていて、小学生のときに友だちを家に連れてきたことがあるんです。そうしたら夫が『こんな汚い家で恥ずかしい!もう家に人を呼ぶな!』と、烈火のごとく怒りました。それ以来、今は成人している息子が友だちを連れてきたことは一度もありません」