足の踏み場がないほどモノを押し込んだ洋室/ビフォー
足の踏み場がないほどモノを押し込んだ洋室/ビフォー

 きれいになったキッチンは料理がしやすくなり、料理の品数が多くなりました。これまでモノに占領されていたダイニングテーブルも広く使えるようになると、家族一緒に食事をすることも増えました。

「息子の外食の回数が減ったんですよね。テーブルにきれいにお皿が並んでいるからか、『いただきます』を丁寧に言ってくれるようになりました。息子は無口なタイプなので言葉にはしないですが、喜んでくれているのかなと思いますね」

 今回、自分のモノの片づけに集中したので、夫と息子のモノには手をつけていません。自分もまだまだ家の中をブラッシュアップしていくので、その影響で夫と息子も自分のモノを片づけるようになってくれたら……と彼女は期待しています。

 また、片づけの悩みが軽くなったおかげで、仕事や17年以上続けている趣味にも打ち込めるようになりました。

「今までは、片づけもできていないのに趣味を続けていることに罪悪感がありました。でも、もう堂々とできますね。仕事も現状維持ではダメなので、スキルアップをめざします!」

残っているのは夫と息子のモノのみ/アフター
残っているのは夫と息子のモノのみ/アフター

 以前は病気かもしれないと悩んでいた彼女が、将来のことを明るく話してくれました。さらに、自分自身の変化についても教えてくれました。

「学校では先生が教えてくれることが正解だったし、家庭では夫の言うことの方が正しいと思っていました。でも、もしかすると自分にとっては正解ではないかもしれない。最善解を自分で導き出すことが大切なんですね。人と比べることもなくなったし、ストレスも減りました!」

 「片づけられない」というコンプレックスによって自信を失うと、自分以外の判断基準に頼ってしまうことも。もし同じように悩む女性がいるならば、彼女のように片づけを通して自信を取り戻し、自分の人生を輝かせてほしいと思います。

AERAオンライン限定記事

●西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。

暮らしとモノ班 for promotion
2024年この本が読みたい!「本屋大賞」「芥川賞」「直木賞」