そして昨年7月8日の安倍元首相の事件直後に旧統一教会が出した「救国救世のための21日特別精誠」という案内もAさんに届いた。「目的」には「安倍元首相のご冥福を祈り日本が一つになるため」と、ここでも最終的には献金を求めている。
約35年前に社会問題化した霊感商法などで、これまでに弁護士や消費生活センターが受けた旧統一教会に関する相談は3万4千件を超え、被害総額は約1237億円という。
現在、旧統一教会に対し、文化庁による解散命令請求につながる報告徴収・質問権の行使が重ねられている。
こうした動きにいらだちを見せたのか、教団トップの韓鶴子総裁は6月下旬、韓国の教団施設で開かれた集会で、
「今の日本の政治家たちは我々に対して何たる仕打ちなの。家庭連合を追い詰めているじゃない」
「日本の政治は滅びるしかない」
「岸田をここに呼びつけ教育を受けさせなさい」
などと発言している様子が民放のニュース番組などで報じられた。
安倍元首相の事件以降、大きな非難を浴びたが信者へのカネの要求はとどまらないという旧統一教会。今後の解散命令請求の行方が注目される。
(AERA dot.編集部 今西憲之)