Aさんの知人で信者だったBさんは、
「コロナの影響で仕事が減り、10万円給付でほっとしている時でした。この案内が何度も届きました。仕方なくマスクを二重にしてして一度、教会に行きました」
と振り返る。
すると、教会幹部は、文鮮明氏の「教え」として信者のノルマのようにされている「10分の1献金」「十一条献金」(給料の10%を献金する)ができていないと叱責(しっせき)したという。
そして、
「家族5人で50万円が入る」
「全額、捧げないと不幸が起こる。コロナで人生が台無しになるかもしれない」
などと10万円をそのまま教会に寄付するよう求めたという。
「なんとかごまかして回答を先延ばしにして教会を後にしました。すると毎日、電話やSNSで『50万円はどうなった』と督促が毎日きて精神的に追い込まれました。最後は仕方なく10万円を出すと、『足らない。50万円だろう』と要求され、ほとほと困りました。そこまで言うなら『弁護士に相談する』と伝えるとおさまりました。実際に家族3人、30万円と強要され、献金した仲間も知っています」
そして、コロナの後にはロシアのウクライナ侵攻を理由に献金を求めてきたという。
ウクライナ侵攻が始まると、AさんやBさんには連日、メールが届いた。
「家庭連合ウクライナ状況 2022年3月3日ウクライナでのロシア軍事侵攻から8日目を迎えました」
との書き出しで始まり、ウクライナ在住の信者の様子が報告されていた。
首都キーウから約40キロ離れた郊外にある修練所に、30人程の旧統一教会のメンバーが避難しているといい、
「そのような戦時下での生活の中で、8日前に生まれた新生児の祝福2世の『八日儀式』が執り行われました」
とある。この模様はネット配信されたという。
Aさんはこうした状況についてあきれた様子で話した。
「メールでは、避難している信者は『過酷な生活で塩や砂糖、小麦粉もない』と窮状を訴えています。当然、これもカネ集めに使い、戦火に巻き込まれている信者を助けようと献金の求めがまわってきました。安倍元首相の事件後ですから、大半の信者がウクライナに届けられることはないと思いながら献金していました。私も2万~3万円出しました。幹部は、ウクライナを助けなければと言いながら、侵攻されたのは『信仰が足りなかったからだ』と平然と言っていました」