■社会活動と感染抑止の両立は

 新型コロナが5類に移行した背景には、オミクロン株となって弱毒化したことで致死率が低下したことも背景にある。しかし、改めて感染力の高さが医療をひっ迫させ、脅威となっている状況だ。

 いったいどうすればいいか。高山医師はこう指摘する。

「病床は一朝一夕に増やせませんが、個々人が意識することで感染予防はできます。高齢者が感染すると入院が必要になることが多いため、感染しないように特に注意する必要があります。いまの沖縄県の流行状況では、高齢者が集まるようなイベントは延期していただくのがいいと思います。
一方で、子どもたちの活動を含めて社会や経済の活動を全般的に止めるべきではありません。症状があるなら学校や仕事を休み、イベントには参加しない。これを徹底いただくことが一番大切です」

 これまでの流行の推移を振り返ると、沖縄で感染が先行し、その後、東京や大阪など都市部での感染拡大が繰り返されてきた。現在、全国各地で感染者数は増加傾向にある。沖縄を対岸の火事と見るべきではない。

(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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