先発ローテーションの一角として期待された藤浪だが……
先発ローテーションの一角として期待された藤浪だが……
この記事の写真をすべて見る

 メジャーで奮闘しているアスレチックス・藤浪晋太郎。13日(日本時間14日)のレイズ戦にオープナーで先発登板し、最速162キロの直球で空振り三振も奪うなど1回無失点で勝利に貢献した。4試合連続無失点で防御率10.80となった。

 阪神で伸び悩んでいた右腕は昨オフに自身の夢を叶えるため、メジャー挑戦を決断。ポスティングシステムでアスレチックスに移籍した。驚きの声が上がったのは契約を結んだ条件面だ。単年契約で325万ドル(約4億5825万円)。出来高を合わせた額は425万ドル(約5億9925万円)と報じられた。推定年俸4900万円からの大幅アップの背景を、米国駐在の通信員はこう語る。

「160キロを超える直球、スライダー、スプリットで三振奪取能力が高い投手は大きな魅力がありますし、アスレチックスは藤浪を再生できると判断したのでしょう。メジャーが世界最高峰のリーグであることは間違いないですが、先発のコマ不足に悩んでいる球団が多い。WBCに出場した侍ジャパンの投手陣を見て、ある球団のスカウトが『全員米国に連れて帰りたい』と言ったぐらいですから。メジャーは観客動員が少ない弱小球団でも、テレビ放映権料の分配金で好条件の年俸を選手に提示できる。藤浪もその恩恵にあずかった形ですね」

 アスレチックスは昨年60勝102敗で、ア・リーグ西地区最下位に低迷。巻き返しに向けて補強した藤浪は先発ローテーションの一角として期待されたが、4試合先発登板で0勝4敗、防御率14.40と結果を残せない。救援に配置転換されてから3勝2ホールドをマークしているが、防御率10点台という数字が示す通り、その投球は安定しているとは言えない。

次のページ
フォームの修正を施さない限り……