年代ごとに、求められる体力のタイプが見えてきたと思います。体力があれば、年齢を重ねても仕事や家事を頑張れるだけでなく、スポーツや旅行などの趣味を楽しむこともでき、日常生活の行動も支障なくおこなえます。
スポーツ医学の第一人者・筑波大学名誉教授の田中喜代次氏は、次のように話します。
「高齢者に必要な体力というのは、若い人の体力とは異なります。体力向上のために自分の好きなスポーツ、レクリエーションを始めるのもよいですが、とくに調整力を低下させない運動をするとよいでしょう。長年の研究から、体力を向上させる運動を心がけている人は、運動しない人よりも長生きできることがわかっています。無理のない範囲で身体を動かすことを心がけましょう」
■いまの体力が何歳レベルなのか、「体力年齢」を知ろう
「自分のいまの体力は、何歳くらいのレベルなのだろうか?」と、気になっている人も多いことでしょう。
そこで、今回は田中教授が開発した、自身で「体力年齢」を計算できる簡単なテストを紹介します。
この式は女性用となっていますが、男性にも、多少のずれはあるものの、目安として活用することが可能です。電卓を手に計算をしてみてください。
実施する体力テスト項目は、以下の四つです。
【テスト(1)】バックスクラッチテスト:肩の柔軟性体力
【テスト(2)】体前屈(自宅の椅子):足腰の柔軟性体力
【テスト(3)】ステップテスト:脚筋力
【テスト(4)】壁腕立て伏せ:腕の筋力
テストをおこなう際には、家族などの測定者に補助してもらい、転倒などの事故が起きないよう十分注意してください。また、本番前には必ず練習しましょう。
【テスト(1)】バックスクラッチテスト(センチメートル)
準備するもの:裁縫用などのメジャーまたはものさし
測定・記入方法:立った状態、または座った状態で、右手を上から背中に向かって下ろし、左手を腰の辺りから背中に向かって上げる。右手と左手の間をできるだけ近づけ、右手の中指と左手の中指の垂直距離を測る。指先が重なった場合は+〇センチメートル、指先が離れている場合は-〇センチメートルと記録する。左右を反対にして同様に計測し、平均値を計算する。小数点以下は切り捨てる。