しかし、8020運動といわれても、そんなに先のことにはぴんとこない子どもがほとんど。一方で最近は、自分から「不正咬合を治したい」と矯正歯科治療を希望する小学生も増えてきているそうです。しかし受験や部活動、また反抗期などで継続が難しくなるケースもあるといいます。
矯正歯科治療を受けるにあたっては、親も子も、ある程度の覚悟をもって臨む必要があります。前述のとおり、多くは、保定治療も含めると5年以上の治療期間が必要です。今、子どもがそんな治療を受けられる状況なのか、そして最後までやり切れるかどうかを見極める必要があるのです。
子どもが自分から希望したときが、矯正歯科治療を始める時期ともいえるそうです。どうしてもイヤと言うなら無理強いせず、また今は矯正治療が難しそうなら、矯正歯科医のもとで経過観察を続けましょう。
(文・別所 文)
【取材した歯科医師】
のむら矯正歯科院長 野村泰世 歯科医師
1982年、東京医科歯科大学歯学部卒。86年、同大大学院修了。同大大学病院歯科矯正科勤務を経て、91年から現職。日本矯正歯科学会認定医・臨床指導医。
のむら矯正歯科:東京都狛江市東和泉1-15-8-3F
みむら矯正歯科院長 三村 博 歯科医師
1985年、日本大学歯学部卒。89年、東京医科歯科大学大学院修了。同大大学病院歯科矯正科勤務、松本歯科大学歯科矯正学講座講師などを経て95年から現職。英国矯正認定医試験およびヨーロッパ矯正上級専門医試験合格。日本矯正歯科学会認定医・臨床指導医。
みむら矯正歯科:東京都西東京市谷戸町2-15-11 ひばりケ丘高野ビル6F
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