●最新作『インディ・ジョーンズ』これが最終章?
80歳になるというハリソン・フォードがインディー・ジョーンズ・シリーズの最新作を世界に先駆けカンヌで披露した。
共演者のマッズ・ミケルセンやフィービー・ウォーラー=ブリッジなどに見守られるように会見に臨んだハリソン。6月30日世界同時封切に先駆けたプレミア上映の感想を、「ただただ観客の暖かさと映画を通して感じるコミュニティとしての連帯感に圧倒され嬉しさがこみ上げた」と感極まる様子で語った。「キャスト、スタッフ全員が高齢の自分をサポートするために集結してくれた制作に感謝している。この作品で今まで語ってきたインディの物語をしめくくりたかった」とも。
報道陣からの「これが本当に完結作ですか」「ひょっとしてもう1本あり?」との質問には、「私を見てもらえればその答えは明解でしょう。ここで腰をおろし休息する必要があるんです」と語った。
共演者マッズ・ミケルセンは「1作目を見たのは確か15歳のころだったと思う。圧倒され兄とともに何度も繰り返してみた。当時自分は俳優になることは全く考えていなかったけれど、とにかくインディ・ジョーンズになりたい!!と思った。そんな少年は僕だけではなくて、世界中にいたはず。世界中の人がインディを愛した。自分がそのインディの世界の一部になれたのは栄誉」と語った。
記者や共演者などからの賛辞を浴びて感激もひとしお、涙をこらえるようなハリソンの様子が印象的だった。
●世界のキタノ北野武も新作『首』で豪華キャストと共に 邦画はソールド・アウト
世界のキタノとして確固たる地位を築き、熱烈な支持者がいる北野武の新作『首』が上映された。戦国武将を演じた西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、浅野忠信、大森南朋が監督と共にカンヌ入り。
本能寺の変の内情を描く本作は外国人には若干難解な点があったようだが、「ところどころに織り込まれた笑いは国境を越えて伝わったと感じた」と語ったのは西島さん。きれいごとではない戦国の武将を生々しく描きたかったと監督は強調した。
とにかく日本びいきのフランス、上映された邦画のチケットはすべてソールド・アウト。ACID部門で上映になった二ノ宮隆太郎監督の『逃げきれた夢』は、主演光石研の故郷北九州市でロケ撮影された家族ドラマ。現代の日本人家庭の明暗によりそう人間劇に様々な反響を巻き起こした。