●ジョニー・デップは流暢なフランス語 観客うならせる。
本年度のオープニング 作品は仏女性監督マイウェンの『ジャンヌ・ドゥ・バリー(Jeanne Du Barry)』(原題)だ。18世紀のフランス王、ルイ15世の公妾として歴史に残る女性ドゥ・バリー夫人の自伝的ドラマ。本作でなんとフランス王ルイ15世を演じるのがジョニー・デップ! 映画幕開から話題騒然となった。
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「マイウェンと最初にミーティングしたとき、“この役にフランス人俳優を起用したと思わなかったの?”と尋ねたんだ。“勿論それは考えた。でもあなたを絶対に起用すると決めたの”と彼女は言った。僕みたいなケンタッキー州出身の田舎者がルイ15世をホントに演じていいのかな、彼女は本当に勇敢だね」と記者会見でジョニー。
華麗な衣装をまとい鬘とメイクを施しルイ15世を堂々演じる彼の台詞は、100%フランス語だ。マイゥエン監督やフランス人俳優はジョニーのフランス語は最初から完璧だと絶賛する。容赦ない批判をすることで有名なフランス人観客をうならせ公式上映では何分ものスタンディング・オベーションが続いた。最近は私生活の否定的ニュースが多かったジョニー。英国サンデー・タイムス紙の取材でハリウッドにボイコットされたと告白。現在もそう感じているのか、本作はカムバックになるのか?という質問に、
「当時は(『ファンタスティック・ビースト』)役を下ろされたこともあり、確かにそう感じた。今ではそう感じない。というかハリウッドについて考えたりしないから。僕はどこへも行っていないからカムバックと言われるのは不思議な心境だ。実のところここから車で45分くらいのところにずっといたから」と本音をちらり。
「1992年、偶然に出演した映画で初めてカンヌ映画祭に降り立った。来る人の顔は変わったが映画祭は変わっていない。この場で自分が信じている映画を、多くの人に見てもらえる機会がもらえたことを誇りに思う。それが一番の焦点であるべきだ」と語る様子は熱かった。女優として活躍するジョニーの長女リリーローズ・デップも米HBOのドラマの新作『THE IDOL』をひっさげカンヌ入り。若手人気ポップ・ミュージシャンを過激に演じ話題を振りまいた。