その意味でも、会社側が今回の調査に対する姿勢を明確に示し、チームには全面的に協力するよう求めることが不可欠です。会社側の誠実、かつ真摯な姿勢が見えなければ、所属するタレントやOBも安心して聞き取り調査などに臨むことはできません。
実効性のある調査や再発防止策がつくれなければ、組織全体の改善や再生にはつながりません。個別の問題にピンポイントで対処したようには見えても、モグラたたきのように、いずれ違った形で別の問題が出てくるものです。それは大手企業などで相次ぐ企業不祥事をみても明らかでしょう。
はった・しんじ 1949年生まれ。青山学院大学名誉教授、大原大学院大学教授。博士(プロフェッショナル会計学)。金融庁の企業会計審議会委員、日本監査研究学会会長、日本内部統制研究学会(日本ガバナンス研究学会)会長などを務めた。著書に『第三者委員会の欺瞞』(中央公論新社)など。
(構成/AERA dot.編集部・池田正史)