ダイエットのために運動をしようと考える人は多いが、肥満予防健康管理士・菅野観愛(かんの・みあ)さんは「運動だけでやせるのは難しい」と話す。運動が消費してくれるカロリーは思いのほか少ないというのだ。菅野さんが監修し、重信初江さんが料理を担当した『やせない人がいないと話題のミア式 料理研究家がダイエット教室に通ってみたら、こんなにやせた!』(朝日新聞出版)から、ダイエット成功のための運動テクニックを抜粋して紹介する。
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ダイエットには運動がつきものだと考えられがちですが、運動によるカロリー消費って、残念ながらすごく少ないんです。例えばご飯1杯のカロリーを燃やすためには1時間40分のウォーキングをしなければいけません。ファストフードならエアロビクス3時間分にも相当します。
人間は少ないカロリーでたくさん動ける効率のよいつくりになっているので、運動はダイエットに不向き。効果を期待するならこれ以上脂肪がつかないようにすること。動かしている部分は脂肪がつかなくなるため、現状維持のために活用しましょう。本格的な運動はやせてからでも大丈夫です。
【思いのほか少ない「1時間あたり」の消費カロリー】
・ウォーキング150kcal
・エアロビクス300kcal
・自転車漕ぎ240kcal
・ジョギング386kcal
・踏み台昇降310kcal
・平泳ぎ601kcal
・腹筋472kcal
・クロール1140kcal
■ダイエットのための運動なら筋力トレーニング
ダイエットが目的なら、消費カロリーを高めるためではなく、筋肉を増やすために運動をすることがおすすめです。
筋肉が増えると、どんないいことがあるのか。
一つ目は、「基礎代謝のアップ」です。筋肉は、カロリー消費の主役。筋肉と基礎代謝量は比例関係にあるのです。二つ目は、「脂肪を支えて垂れるのを防ぐ」。筋肉は脂肪を支えてくれるので、バストやヒップの位置がアップします。三つめは、「正しい姿勢を保てる」。正しい姿勢をキープするにもエネルギーが使われるので、消費エネルギーがアップ。そして四つ目が、「体力がついて活動量が増える」。歩くなど、普段の動きも楽にでき、疲れにくくなるので、自然と活動量が増え、消費エネルギーがアップします。