監修の肥満予防健康管理士・菅野観愛(かんの・みあ)さん
監修の肥満予防健康管理士・菅野観愛(かんの・みあ)さん

■運動量を増やすには「街や家をジムにする」

 ダイエット中の運動は、なくなってしまった筋肉を作って増やすことから始めます。そのためには、ジムに行くよりも、街や家をジムに見立てて生活するのがオススメです。階段を使う。家の中で踏み台昇降をする。いつもより早く動く。座る・立つ・歩く姿勢に気をつける。これだけでも筋肉を作ることができ、基礎代謝が上がっていきますよ。

 もう一つ。人間は、年齢を重ねるごとに縮んでいきます。特に関節が縮んでしまうと、可動域が少なくなります。すると動きが小さくなり、カロリー消費も減ってしまうんです。日々ストレッチを取り入れて柔軟性を高めておけば、消費カロリーもおのずと多くなります。体が柔らかいほうが筋肉も強くなり、やせたときにしなやかな体を作ることができます。

 とはいえ、運動を持続するのはなかなか難しいですよね。例えばラジオ体操をやろうと決めても、しっかりやらなきゃと思うと30分ぐらいかかるイメージで腰が重くなってしまいます。でも実際は5~10分です。やれば早く終わるのに、イメージによってなかなか取りかかることができなかったりするんです。

 運動が習慣になるまでは、タイミングを先に決めてしまうのが効果的です。朝起きて口をゆすいだらやるとか、着替える前とか、お風呂の前とか。「ラジオ体操をしないと着替えられない」などと考えるようにすると習慣づけに役立ちます。

■ハードルを下げて、「腹筋のガードル」を付ける 

 ジョギングがダイエットに効果的だと頭ではわかっていても、「じゃあ、やろう」という気持ちにまでなかなかなれなかったりしますよね。そういう時はすぐに解決法を考えましょう。走るのが無理だったら、散歩だけなら行けるかな、と代替案を考えてみるんです。

 しっかりやらなきゃと思うとハードルが高くなってしまうので、まずはハードルを下げましょう。そうして続けていくと、天気がよかったとか、なんだか体の調子がいいぞとか、そういうなんでもないことがやる気を後押ししてくれる時が、ふとやってきます。

 そして、ダイエットのために鍛えておきたいのが、腹筋です。腹筋を鍛えておくと、食べ物をたくさん入れられなくなります。つまり、鍛えることで「腹筋のガードル」を作ることができるんです。

(構成 生活・文化編集部 森 香織)